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09月2日(金)

ジョジョの死狂いな冒険

外を眺めた囚人十一組二十二名
泥を見た者八名
星を見た者六名
射殺二名
生還六名 中二名重症

フレデリック・ラングブリッジ氏家伝 写本「不滅の歌」より

ジョジョの死狂いな冒険
〜濃い漫画同士は混ぜるな危険〜 (←副題)

 

 

ダニーを蹴り飛ばし ジョジョに「何をするだァー」と怒られたディオであるが
部屋へ案内される際に目撃した邸の広さ 召し使いの数などを思い返すと
ほくそ笑まずにはいられない

 

ディオ「親指を!こいつの!目の中に…………つっこんで!殴りぬけるッ!」
 ↓
ブチッ ムニュムニュ プチュ プーッ

 

ジョジョ「ディオォォオオーーッ 君がッ 泣くまで 殴るのをやめないッ!」
 ↓
馬乗りになってドォンドォン
 ↓
ディオ「このきたならしい阿呆がァ―――ッ!!」帝王(おに)は無念の涙を流した

 

それはおよそスピードワゴンが
聞いたことも見たこともない 力を超えた力を持つ魔物であった
ジョジョ「怪物め」

 

<瞬間!ジョジョの脳裏には彼自身の青春が思い出されていた!>
(愛犬ダニーの死のこと!エリナとの初恋のこと!ディオとのボクシングのこと!
 ディオが邸にやって来た日のこと!父さんの指輪!母さんの指輪!)
生命存続の危機に際した時
人間は本能的に それを回避する方法を記憶の中から探し出そうとする
それが死ぬ間際に見る 記憶の走馬燈の真相である

 

ディオ「フン!ナイフを突き刺しあくまでもおれから離れんつもりか…」
しかしこの時ディオが注視すべき部位は ジョジョのナイフではなかった
ディオの注意が手元に集中している隙に ジョジョは無意識に壁を蹴っていた
猫科動物が跳躍するが如き異様な蹴り

ディオの怪力をもってしても避け切れぬ事態を生み出した物は
奇しくもかつて自分がジョースター卿に突きたてたナイフである

 

ジョジョ(座ったままの姿勢であんなところまで…)
この時ツェペリが見せた膝だけでの跳躍は
鍛錬によって到達し得る領域を明らかに凌ぐものである

 

『ペイジ 右顔面陥没による脳挫傷』
『ジョーンズ 鼻骨陥没による脳挫傷』
『プラント 肋骨粉砕による肺破裂』
『ボーンナム 顎部が咽頭に詰まり窒息死』
『怪人ドゥービー 頸椎骨折』
 ぶっ!(←毒を血管から出した音)
ジョジョ「野良屍生人(ゾンビ)相手に 誇りある我が名は教えぬ」

 

ストレイツォ「ああ あれこそはダイアーさま必勝の構え 稲妻十字空烈刃(サンダークロススプリットアタック)のお姿…」

 

 

後方からストの叫び
前方に憤怒のブルりん

 

ドノヴァン「ぐうう このドノヴァンも軍人のはしくれ!口を割ってたまるか!」
ジョセフ「へえ〜そうかい?
      おれは妙なプライド持ってるヤツにはひといち倍イジ悪いのよよよぉ〜ん」
 ↓
焼き鏝で悪根を(以下略)

 

―― 失うことから全ては始まる。――
シュトロハイム「おれの脚を 断て!」
ジョセフ「な…なにィ〜 ま……まさかてめーッ」
―― 正気にては大業ならず ――
ジョセフ「そんなに切ってほしけりゃ切ってやるぜ――ッ このナチ公――ッ!!」
シュトロハイム「ああ 切ってほしいのだ――ッ!!」
―― ナチス道は死狂いなり。――

 

”練り”と呼ばれる波紋修行は 小半刻かけて一呼吸を仕終える ※30分
装着されたマスクは 呼吸が乱れるのを防ぐためだ

 

ワムウが心の平衡を失ったのはいつの頃からであろう
必殺である筈の神砂嵐を波紋で防がれた時ではなかったか

 

ジョセフの葬儀に 祖母エリナは幽鬼の如き表情を浮かべ
スピードワゴンは曖昧なまま列に加わった
刀の柄を白紙で包みジョセフを見送るのは波紋の戦士たち
スモーキー(ジョジョ お前はあの時(スト様に機関銃ブッぱなした時)なぜ泣いていたのだ)

 

 

「パパ い いらしゃんせえ〜」
承太郎の母ホリィの性格は 少女そのものである

 

家出少女
「この妖刀『七丁念仏』が早えーとこ三百四十人めの血をすすりてえって慟哭しているぜ」

 

ジョースター一行による船狩りが二度行われたが 成果はオランウータン一頭
下手人は人にあらざる妖魔と囁かれ始めた

 

ポルナレフ(今宵はめでたき日にござる…めでたき日にござる…)(←妹の敵が見つかったから)
気がつけば相手の射程距離の中にいた
DIOの刺客ホル・ホースは拳銃の名手である
スタンドの抜き撃ちを一閃すれば ちょうど脳天が穴空く距離にポルナレフはたたずんでいた

ホルホース「おれの『スタンド』は拳銃(ハジキ)だ 拳銃(ハジキ)に剣では勝てねえ」
ポルナレフ「なに?おハジキだあ〜〜?」
ポルナレフ「ワッハハハ ハハハハハ ハハハーッ」
ホルホース「イヒヒヒ ヒヒヒヒ ヒヒヒヒヒ ヒヒヒヒ」
二人「ワーッハハハハ ハハハハハ ハハハハ ギャハハ」
笑うという行為は本来攻撃的なものであり 獣が牙をむく行為が原点である
ホルホース「てめーっブッ殺すっ」

 

早朝遺跡の真ん中で男が座り込んで喘いでいる
顔は判別できぬが どうやら怪我しているらしい
ポルナレフ「Jガイルか」
とどめを刺すため歩み始めた花京院は 恐るべき事実に気付いた
花京院(両右手にあらず!)
さらに恐るべき事実
本物は逃げ出したのではない 後ろからナイフを投げてきたのだ
ポルナレフ「こやつだ こやつがシェリー殺しの…」

 

承太郎「無関係の者はとばっちりだが… 全員ブチのめすッ!」
花京院「えっ?お…おいッ!無茶なっ承太郎!
     やめろ!ジョースターさんあなたまでッ!やりすぎです!!」
この暴挙を もはや何者も止どめ得ず

 

『スティーリー・ダンは最弱のスタンドで斃す 痛みを与えれば人は死ぬのだ』

 

承太郎「ウヒヒヒ ウハハハハハハハハハ フハハハハハハハ ワハハハハヒヒヒヒウフフ」
ジョセフ・ジョースターは はじめて 空条承太郎の笑みを見た

 

ポルナレフ「花京院お目覚めにございまするか」
花京院「夢ん中で ちくりと敵スタンドにさされたわい」

 

ポルナレフ(果たして花京院は正常なのだろうか 赤ん坊相手にスタンド攻撃するようなこの執念)

 

花京院「さあ お仕置きの時間だよベイビー」
 ↓
焼き鏝で悪根を(以下略)

 

<承太郎の近距離パワー型スタンドは 4km先の対手を倒すことが出来るのか?>
<盲目のンドゥールのスタンドは 対手に触れることが出来るのか?>
<出来る>
<出来るのだ>

 

アレッシー
「ボーヤ泣かなかったね出来ておる喃〜けがはない? ぼうや君いくつ
 4さいフーン 出来ておる喃〜君のパパは今何してるの?
 パパはお仕事行っていないの?出来ておる喃――」

 

ダービー「だがポーカーは わたしのもっとも得意とする戦形(かたち)!」

 

あ〜かとらのねこ ごろごろ
"DIO"に脅え 跳〜んだら
ハンバーガーにな〜った
むーざん むーざん

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」
パワー 精密さ 共に 「スタープラチナ」を凌駕するスタンドであった

 

DIO「完全なるとどめを……… 刺す!………
   (こいつ)を………頭部に落としてな」
(ポルナレフはDIOの剣名を広める生き証人となるため残されました)

 

 

仗助「サザエさんみたいな髪型と申したか」
不良「せ 拙者は さような事は…」

 

承太郎
「治った?くっふふふ
 仗助…
 肉体という器は ひとたび ひとたび生命が終われば二度とは 二度とは」(←泣きながら)

 

アンジェロ
「仗助ッ!おれはおめーのじじいをブチ殺してやったが
 オメーにオレを死刑にしていい権利はねえッ!」
『天下はすでに泰平 仮にアンジェロが呪われた罪人 脱獄した死刑囚だとして
 合戦さながらに死刑にするなどという蛮行を 警察が許す筈はない』
『牛たんみそづけの町 杜王町をオカルトに染める観光名所
 ”アンジェロ岩”の誕生であった』

 

アンジェロ
『あの夜おれは…ねむれなくってよう…
 独房の天井のスミばかりボケーッと見てたんだ…
 その時だ…誰かが闇の中からじっとおれを見てんだよ…
 どっかから見られてる気配がしたのさ
 「クソッたれの看守がのぞいてやんのかァ〜っ」
 そう思ったが違っていたんだ 
 「男」がいたのさ ベッドの頭のこお〜んな近くによおぉお〜っ』
男「い いくぅ」
アンジェロ「いくではございませぬ!いくでは!」

 

康一「未だ卵のままのスタンドなれど エコーズ お見せつかまつる」

 

仗助の髪型を嘲笑(わら)う事など不可能であった

 

康一「つ…つまり その… は…犯人は『スタンド使い』ってこ…こと?」
仗助「みんなは『重ちー』のことあんまり知らねーだろーがよー
    『重ちー』の『ハーヴェスト』に勝てるヤツってのは考えらんねーぜ…」
承太郎「各々気を引きしめい 敵は相当の者ぞ」

 

ジャンケン小僧
「この能力はな露伴 おぬしから盗んだのだ
 おぬしが気前良くやってくれたジャンケン…
 せっかく発現したスタンド能力を 不器用な奴だおぬしは」

 

ぼくのパパはパパではない
もっとおぞましい 何かだ

 

『運命』はまだ吉良吉影を見放していなかった

 

 

ブチャラティ
「いいだろう………おまえが組織に入団できるよう紹介しよう
 『ルカ』をやった犯人は 一応の下手人を立てる」

 

そして幸運な事に 男の体は『草』がのびて隠れていた
この能力こそ スタンド「ゴールド・エクスペリエンス」の骨子となる能力である

 

アバッキオ「いただきますって言ったからには飲んでもらおうか…」
グイィイーッ
アバッキオ「えッ!」 フーゴ「うそだろッ!オイッ!」
ナランチャ「お美事!」 ミスタ「お美事にございまする!」
この試験(ためし)こそブチャラティチームの入団儀式 アバ茶会である
じょぼぼ じょぼぼぼ(←2杯目)

 

ミスタ
「これさあ さっきから………気になっているようだが……
 オレのじゃあない…船の中にあった物なんだ……
 『メガネ』と 『焼き鏝』だ
 おまえどっち使ってほしい?『メガネ』と『焼き鏝』
 選ばねーとよォ―――両方使っちゃうぜッ!!オレはよォ――ッ」

 

男ばかりのギャングである
(ちゅぱっ)
ソルベとジェラートが時折 このような行為にふけるのを
(ちゅぱっ)
見て見ぬふりをする情が暗殺チームにも存在した

ある日自宅のソファの上にころがる『ジェラート』の死体が見つけられた
死因は「窒息死」 自身の一物をのどの奥につまらせて死んでいた

 

女「さわらないでッ!あ…あたしの物にッ!人を呼ぶわよっ!!」
ブワシィィィーィン
メローネ
「スゴクいい!いい虎拳だ!!手首のスナップといい腰の入れ方といい
 こういう元気な虎拳をくり出せるんなら君の健康状態はまちがいなく良好だ!」

 

スコリッピ「不屈の精神を持ったギャングにあっては 自己(おのれ)に与えられた過酷な『苦難の道』こそ かえって その若い闘魂(たましい)を揺さぶり ついには…」

 

 

徐倫「あの折 儂が司法取引を受けたるは弁護士が指図
    はかった喃 はかってくれた喃」

 

グェス
「わ…わかったって………!!ベッドも下の段に寝ていいよ………
 夕飯もあたしの分をあげる…だからお願い……
 いろいろあったけどあたしを嫌いにならないで
 でも『喃』口調はたまに使ってほしいな♥ あれとってもカワイイんだもん」

 

アナスイの顔が別人(というか別性)に見えたのは 『エンポリオの部屋』の薄暗さゆえ
エルメェスは自分にそう言い聞かせた

 

(虎眼先生ボヘミアン・ラプソディーの効果で大暴れ)

 

アナスイ
「承太郎さん…今のオレには必要なんだ………
 一言でいい…『許す』と…オレの心を解き放ってほしい……!!
 ここを生き延びたなら結婚の『許可』を与えると!」
承太郎「物狂いか」

徐倫「いいわアナスイ……その時が来たら 私は血も心も捧げます」

 

 

「運命について」

 運命とは重力である。そのような状態にある主人公は、作者の意に反して行動せざるを得ない場合がある。と「葉穏」に記されている。

 運命は連続であるから、運命というものが存在するのであれば努力したり喜んでも仕方がないのが道理である。しかし運命について考えることによって、そのような思慮ができるようになることは、人間賛歌を描く上では後れをとったようなものである。と「葉穏」は戒めている。

死すべき運命を持った者が、『苦難の道』に向かってゆかねばならぬ時、
『眠れる奴隷』が、運命を解き放つことを決意した時、
「葉穏」の一節がまぶしく輝いて見える筈だ。

運命こそ命の最後の拠り所となるものである。

荒木飛呂由

09月9日(金)

徒然といろいろ・2

  • 拙作「ジョジョの死狂いな冒険」をBWさんが「ほとんどのシグルイネタを網羅。」とのコメント付きで紹介くださっていますが、使えそう・使いたいと思ったものの結局使えなかったシグルイネタがかなりあるので とても「網羅」などと言える物ではありませぬ。
    • それにしてもたった4巻しか出ていないのに、あれだけのネタ数で網羅できないシグルイって本当に凄い漫画だと思います。未読の方は是非。
  • ジョジョ5部の「今にも落ちて来そうな空の下で」での名台詞「わたしは『結果』だけを求めてはいない…」は『過程を吹っ飛ばし結果だけを残す』キングクリムゾンとの対比になってますね。ただこれを荒木先生は狙っていたのか偶然こうなったのか…私の中の荒木先生像に当てはめると『偶然』なんですが皆様的にはどうでしょうか。
  • ジオログのほうでも書きましたが、私は今までカルネのスタンド「ノトーリアスBIG」を「ノートリアスBIG」だと思っていました。「ノートリアスBIG ジョジョ」でGoogle検索すると169件。正しく「ノトーリアスBIG ジョジョ」では494件。4人に1人が間違えている計算。
  • テニスの王子様展開予想。脅威のコピー能力を持った樺地相手に大苦戦の手塚…強力な技を使ったところでコピーされてしまう!大変だ! そこで突然ラケットを空高く投げ上げる手塚。真似して投げる樺地。しかし実は手塚が投げたのは いつの間にかパクっていた桃城のラケットだった!ラケットの無くなった樺地、なすすべなく敗北。これぞ手塚流超奥義「宇呂淡瀦(うろやけぬま)」!
    • もう「テニスの王子様に見る魁!!男塾の影響」を書いたせいで男塾的展開しか思いつかないわけですが。…病気ですか私は。
    • それにしても殆どの人がこの展開を考えただろうと思ったのに、ジャンプ感想サイトをいくつか回ってみましたが一人も見つかりませんでした。コピー能力持つ相手にはこの展開しかないでしょう!…男塾読み過ぎですか私は。
      • ちなみに本当は「宇呂淡瀦」の3文字目は立心偏。
  • 今週の「太臓もて王サーガ」で『佐渡が読んでいた本が「世界拷問大全」』という展開がありましたが、図書室でそんな本を読むのは「ギャグ漫画の世界」なのですか。私は似たような本を電車で読んでいるわけですが…
    • そしてそれに対する真白木さんの「拷問好きなんですか?」という返しが『そこ拾っちゃったー!?』とツッコまれていましたが、それもツッコミ対象なのですか。もし私が同じ状況なら、やはり同じ台詞か 又は一歩進んで「どんな拷問がお好きなんですか?」と訊くのですが。
    • ところで「太臓」と書くときにいちいち変換するのが面倒なので、「太い臓物」と書いて「い」「物」を消しています。同じことしている人は多かろうと思って「太い臓物」で検索したら1件も引っかかりませんでした。あれ?
    • 私はジョジョ好きのくせして第1章のタルカスネタに気付けず、毎週金銀パールさんの「太臓もて王サーガ感想&元ネタ解説」にお世話にならなければパロディネタを楽しみきれないような間抜けですが、今週(第6章)の某台詞の元ネタはすぐに分かってしまったのはここだけの秘密。
  • なんとなくググってみた
  • 「テニスの王子様」テニス呼称を差し止め申請』ネタ、およびその騒動に関して。
    • 私がニュースサイトを運営していたら…たぶんネタと明記せずにこのネタを載せます。(話の都合上 上ではネタと書いてしまっています。それにもう既に殆どの方がご存知かと思いますので…)
      • 逆に言えば 私がもしこういう嘘ニュースを作ったらそういう風に紹介してもらいたいという事ですが。
      • この嘘ニュースは本当に嘘ニュースの鏡といってもいい素晴らしい作りになっています。最初はもっともらしいことを書いておきながら、だんだんおかしな表現が増えていく…真面目なニュースかと思って読んでいき、それがネタだと気付いた瞬間に最も笑いが生まれるのではないでしょうか。ですから最初からネタだと知ってしまったらそれが起きないわけで、やはり少なからず面白さは減ってしまうのではないかと。
        • なお、「嘘ニュースの鏡」という表現は、決して管理人さんの名前と掛けた洒落ではありません。念のため。
    • 本題。気になったのが、一部のサイトでのこのニュースの紹介方法です。
      • 信じてしまったテニプリファンのサイトに多いのですが…ニュース元のURLを載せずに本文を引用して書いているサイトが見受けられました。
        • 「引用」は引用元がわかるようにしなければなりません。これは著作権法で定められていることです。ネット上の話題であれば文中リンクを貼るとかblockquoteで囲ってcite属性に書くなどする必要があります。引用元を明記せず引用を行うことは犯罪です。
        • そして法律云々はさておき、引用元を書かずに引用されてしまうと それを見た人がその情報の真偽を確認しにくくなってしまいます。文中の語句で検索をかけるなどすれば気付けるかもしれませんが、そこまでする人は少数でしょう。URLをちゃんと書けば、ドメインが新聞社の物ではない事などからネタであることに気付く人は気付けるでしょう。
    • ネタであることにいまだに気付いていないサイトを片っ端からブックマークしようとしましたが数が多すぎて挫折しました。
  • 掲示板での宣伝がしつこいのでちょっと掲示板を改造しました。犯人がここを見ている可能性も無くはないので(相当低い確率でしょうけど)詳細は書きませんが、普通に使う分には問題無いと思います。万が一書き込めなかったときは、メールやweb拍手でご連絡下さい。
  • ヘヴィメタルに関する週記をまたそろそろ書きたいのですが、私は広く浅くCDを買ってしまっているので ある一つのジャンルについて書こうと思ったのに紹介できるCDが足りず書けませんでした。今週か来週に新しくCD買ってきます。
  • 特にオチとかありません。終わります。

09月16日(金)

Readme!Japanについて

 Readme!Japan(以下、「Readme」)

 トップページの「お知らせ」は1年以上前の情報、「削除」などの一部ページはいつ見ても「ただいまシステム修復中です」のまま。はっきり言ってこれだけを見たら「終わっているサイト」以外の何物でもありません。

 しかし未だにReadmeに自分のサイトを新たに登録する人は後を絶ちません。日刊「新作」ランキングを見ると、この1ヶ月に新たに215ものサイトが登録しています。

 さて、Readmeに自サイトを登録する人は、おおまかには以下の3つに分けることが出来るでしょう。(勿論厳密に分けられるわけでなく 複数に当てはまる場合や例外もあるでしょうが。)

  1. 「Readme上位サイト」の称号が欲しい
  2. 順位やアクセス数を励みとしたい
  3. Readmeから来る読者狙い

 まず1。特に侍魂ちゆ12才ブームの頃からテキストサイトを見てきたような人にとって、Readme上位を目指すのは 野球少年がプロを目指すが如き自然な行為と言えます。

 しかし、この理由でReadmeに登録する人は少なくなっていると思われます。その理由はなんといっても「目標が高くなりすぎている」ためです。

最近のReadMeはユニーク1万では50位圏内に入らない】(ARTIFACT ―人工事実―)
ReadMe!100位サイトの得票数推移】(ルクダルのだるだる日記)

 (定常的な)1万/日ヒットなど多くのサイトにとっては夢の数字であり、そして多くのサイトはそこに辿り着く前に消えて行きます。しかしそんな夢の数字1万をもってしても50位圏内に入らない…先程野球少年の喩えをしましたが、プロ野球が漫画「アストロ球団」みたいな試合(死合)をしていたら多くの野球少年は最初からプロを諦めることでしょう。今のReadme上位はアストロ球団なのです。

 なお、「アストロ球団って何?」という方は、上の文章の『野球』を『テニス』に、『アストロ球団』を『テニスの王子様』に変換して読んで下さい。大体意味は同じになります(たぶん)。

 続いて2。ここに属する人の多くは「少しでも上に行きたい」とは思っているかもしれませんが、上位に入ることはもう諦めてしまっています。順位やアクセス数の増減を眺め、「やった上がった!」と喜んだり、「こういう記事を書くと人気が上がるな」と分析したり、「しばらく更新してないと下がるな…もっと頑張らないと」と自分を奮い立たせたりします。

 ここに属する人も割合としては減ってきているでしょう。最近のBlogブームでBlogを始める人が増えていますが、Blog自体にアクセスカウンターの類が付いていることが多いためです。BlogによってはそのBlog内での順位付けもやってくれます。こうしたBlogを使っている人は2の目的ではReadmeは必要ないからです。

 よって最後の3の目的の人が多いかと思われます。 Readmeの新登録サイトをチェック・評価しているサイトがあるのでReadmeに登録すればそうしたサイトからのお客が見込めます。また「更新報告」を行えばReadmeのトップページで宣伝することもできます。この3に当てはまる人の中には、「多くの宣伝先の一つ」としか思っていない人もいるでしょうし、あくまで「Readme読者」…基本的に「読むこと」が好きと思われる人達…に読んでもらいたいと思って登録する人もいますが、言ってしまえば結局「宣伝目的」です。

 私もこの理由で登録をしました。(2も少しありますが。) …しかし正直なところこの狙いは外れてしまったと言わざるを得ません。3の理由で今からReadmeに登録しようと思っている方がいたら参考にして下されば幸いです。

 私の経験から言って、Readmeに登録しても人は全然来ません。まず登録した直後は「ReadMe! 新着サイト」に載り(このサイトは現在更新停止してしまっていますが、今も別のReadme新作評価サイトが存在するようです。)、そこから少し人がやってきますが…それは5人/日くらいだったと思います。(ログが残っていないので記憶頼りで申し訳ないですが) 始めたばかりのサイトにとっては充分ありがたい数字かもしれませんが…ただ そうしたサイトから飛んでくる人は、多くの新作サイトを見ているのでその中から「選ばれる」のは非常に難しい…要するに、常連にはなかなかなってくれません。

 そしてそれが終わると、Readme界隈から多くの人が来ることはまずありません。更新報告を行えば大サイトであるReadmeのトップページに載るのだから多くの人が来るだろう…と考えがちですが、私は3回更新報告を行ったものの そこから見に来てくれた方は合計しても10人以下だったと思います。

 Readmeから多くの人が来る状況は一つしかありません…それは、「Readme上位に入った時」。それだけなのです。私のサイトもほんの1〜2日だけ上位に入りましたが、そのときだけはある程度人が来ました(数十人くらいだったと思います。また記憶頼りですみませんが)…が、当然Readme上位に入る時にはアクセス数は凄いことになっているので、それと比べると「微々たる人数」です。

 Readmeは今では登録削除や情報変更ができないので、後になってサイトの説明文が恥ずかしくなったりしてもそれを消すことができません。また登録メールアドレスに広告メールが来るかもしれません。それだけの危険を賭して、今新たに登録するだけの価値はあるのか?1、2はともかく3の理由で登録しようと思っている方は特にご一考下さい。

サイト改装しました

 サイトを改装しました。見た目はあまり変わっていませんが内部的には恐ろしい量の変更を行っています。最初からもっとしっかり計画していればこんなことする必要は無かったのですけど。

 まず最大の変更はフレームを廃止したことです。フレームは時と場所を選べば便利なんですが、私のサイトには合わないと最近ようやく気付きました。

 それから「ナビゲーション」を付けました。Internet Explorer系を使っている方には特に意味はありませんが(というか私もなんですけどね)、例えばOPERAなどを使えば絵や週記で前後のページに飛ぶのが楽になります。

 そしてできるだけ「正しいHTML」を使うようにしました。(まだまだ正しくない部分はあるので「以前よりマシ」というレベルですが) これは特に意味はなく単なる自己満足ですが。強いて言うならCSS非対応ブラウザやユーザスタイルシートを用いたときに見やすくなったという長所はありますが、うちのサイトを見ている方のうちどれだけそんな方がいるのやら…まぁ良いのです。正しいことをするのに意味など必要ありません。

 …本当は改装と同時に絵の更新もしたかったんですができませんでした…更新チェッカーやアンテナにうちのサイトを入れていて「お、何か更新したな?」と思って来た方ごめんなさい…

09月23日(金)

[HM]メロディック・(デスメタル)は砕けない

 (相変わらずタイトルと本文はあまり関係ありません)

 「プログレ」という音楽ジャンルがあります。正式名称「プログレッシブ・ロック」。変拍子や変調を多用した複雑な曲構成を持つ「プログレッシブ[=前衛的、革新的]・ロック」は、当時の音楽業界からするとその名のとおり革新的な音楽でした。

 しかし、「プログレ」が流行するにつれて、「変拍子や変調を多用した複雑な曲構成を持つ音楽」が「プログレ」となり、結果として前衛性・革新性は薄れてしまいました。「プログレ」が一つのジャンルとして確立された瞬間から「プログレ」は最早「プログレッシブ」では無くなってしまったのです。
(念のため註:「プログレ」というジャンル自体を否定しているわけではありません。何しろ私自身好きなのですから。ただ名前と実態が一致しなくなっている、というだけのことです。また「プログレの定義」は諸説あり、革新的なものだけをプログレと呼ぶ原理主義的な人もいるようですが、平均的な定義のみを挙げました。)

 では今、本当に「プログレッシブ」な音楽とは何か…私は「(広義の)デスメタル」であると考えます。デスメタルを特徴付けるあの「デス声」自体革新的でしたが、そこに留まることなく様々な音楽・文化を吸収し 今なお様々な革新的な音楽を作り出しています。

 デスメタルを「なんだか変な声で騒いでるだけの下手糞で低俗な音楽」と思っている方は多いかと思います。確かにそうしたデスメタルバンドが存在することは否定できませんが、それをデスメタルの一般論として論じるのは無知というものです。デスメタルは非常に高い技術を必要とする音楽なのです。(逆に言えば技術も無いのにデスメタルをやろうとすると上記のような駄目デスメタルバンドになるわけです。)

 まず声。本当に凄いデス声はもう人間の声じゃありません。普通の人があんな声を出すことができますか?よしんば出せたとしても、その声で「歌う」のは無理というものです。

 続いてギター。これはデスメタルよりスラッシュメタルやネオクラシカルの方がその傾向が強いですが…デスメタルもしばしば超絶な速度のギターソロを聴かせてくれます。本当に指5本なのかと疑いたくなります。剣客やテニスプレーヤーにはよく6本指がいますからギタリストにも6本指がいてもおかしくないですよね。

 そして何よりドラムス。デスメタルでは「ブラストビート」と呼ばれるビートを多用しています。これはごく簡単に言えば「とにかく速く叩く」だけのことですが、その速さと正確さは筆舌に尽くしがたいものがあります。もうスタープラチナ状態。しかもかなりの長時間にわたって叩き続けることもあります。持続力−A。

 他にも色々ありますが、とにかくデスメタルとは非常に高度な音楽なのです。しかし いきなり濃いデスメタルを聴いてもまず理解できないでしょう。今ではデス系を好んで聴いている私も 初めて本物のデスメタルを聴いたときは「ああ、私にはデスメタルは合わないんだな…」と思ったものです。意味もなくスタンドっぽく書くとこんな感じです。

破壊力 − A
溢れる暴虐性
スピード − A
高速ギター・ドラムソロ
射程距離 − E
一般受けせず
持続力 − A
長時間のブラストビート
精密動作性 − A
正確なリズム
成長性 − A
派生ジャンル多数

 特にダメなのがやはりあの「デス声」だと思います。しかしそれだけのことでデスメタルを聴かないのは実に勿体無い!先程述べたとおりデスメタルは非常に前衛的な音楽であり、ピカソの絵を思い浮かべれば分かるとおり前衛芸術は最初は理解しがたい事が多いのです。…しかし理解できるようになった時、目の前には広大な新世界が広がっていることでしょう。

 そこで「デス声」に少しでも慣れるために、「メロディックデスメタル」から入る事をオススメします。メロディックデスメタル…略してメロデスは、簡単に言えば「メロディックメタルにデス声を乗せたもの」ですので(正確に言うとそういうわけでもないのですが)、メロディックメタルを聴いている方ならそこまで抵抗無く聴けると思います。

 最初は「せっかく美しいメロディなんだからこんな汚い声で歌わなければいいのに…」などと思われるかもしれませんが、メロディにつられて何度も聴くうちに段々デス声の魅力に気付き始め、いつしか普通のメロディックメタルを聴くと「せっかく美しいメロディなんだからデス声で歌えばいいのに…」と思うようになるかもしれません。

 では、素晴らしいメロディックデスメタルの紹介を。

ヘイト・クルー・デスロール ヘイト・クルー・デスロール』 CD
チルドレン・オブ・ボドム
ユニバーサルインターナショナル
発売日:2003/02/05, 価格:\2,548, 枚数:1 枚

--内容(「CDジャーナル」データベースより)--
本国フィンランドで高い人気を誇り、ハルフォードとの日本ツアーも決まったヘヴィ・メタル・バンドの新作。ボーナス・トラックでスレイヤーとラモーンズのカヴァーを収録。

 フィンランド出身のメロディックデスメタルバンド、Children Of Bodom。バンド名の「Bodom」はフィンランドの犯罪史上に残る惨殺事件の起きた「ボドム湖」から取られました。もし彼らが日本のバンドだったら「Children Of 知床五湖」(by オホーツクに消ゆ)になるところでした。フィンランドのバンドで良かったですね。

 このアルバム「HATE CREW DEATHROLL」は#1「NEEDLED24/7」など名曲揃いですが、私が初めて聴いたとき衝撃を受けたのが日本版ボーナストラックの#11「SOMEBODY PUT SOMETHING IN MY DRINK」です。知っている方もいるかもしれません、パンクバンドRamonsの同名曲のカヴァーです。このデスメタルどころかそもそもメタルですらない曲を、見事にメロディック・デスメタル・アレンジを行ってくれました。(私は原曲は残念ながら未聴なのですが。) しかも5thアルバム「ARE YOU DEAD YET?」ではなんとブリトニー・スピアーズの曲をカヴァーしているとか。きっと原曲ファンが聴いたらショックで倒れるような素敵なメロデスアレンジをしてくれていることでしょう。Children Of Bodom大好きだー!(しかしこの5thアルバムは評判が良くないのでオススメできません。というか私も聴いてないです。)

 

BURNING BRIDGES BURNING BRIDGES』 CD
アーク・エネミー
トイズファクトリー
発売日:1999/05/21, 枚数:1 枚

--内容(「CDジャーナル」データベースより)--
スウェーデン産メロディック&ブルータルなメタル・バンドのサード。彼らの最大の武器は何といっても流麗なツイン・リードだが,今作ではその劇的さがこれまで以上に激烈な楽曲へとうまく組み込まれたとの印象だ。何とHはヨーロッパのカヴァー。★(...)

 私は全然気にならないんですが、Children Of Bodomのキーボードが喧しくて嫌い、という人がいるみたいです。むしろ私はその辺も含めて好きなんですが。ともあれそんな方にはARCH ENEMYをオススメします。

 この「BURNING BRIDGES」も、イントロから悶絶死モノの#2「Dead Inside」、狂気に満ちた#8「Burning Bridges」など名曲ぞろいですが、特に#4「Silverwing」は、デスメタルでありながら なんだか無性に夏の浜辺が似合うと評判の爽やかな名曲です。Children Of Bodomにも「BODOM BEACH TERROR」というタイトルが夏の浜辺っぽい曲がありますが、Silverwingの方が夏っぽさでは圧勝です。そんなわけで例えるならARCH ENEMYはメロデス界のTUBEと言えるでしょう。…相変わらず私の例えのセンスは悪いですが、ARCH ENEMY自体は素晴らしいので是非聴いてみてください。

WAGE OF SIN WAGE OF SIN』 CD
アーク・エネミー
トイズファクトリー
発売日:2001/04/25, 枚数:1 枚

--内容(「CDジャーナル」データベースより)--
マイケル&クリストファーのアモット兄弟が率いる強力ギター・バンドのアーク・エネミー。メロディアスなヘヴィ・メタル・サウンドを聴かせる彼らの待望の4枚目。

 ARCH ENEMYからもう一枚。上の「BURNING BRIDGES」の方が評価が高いのですが、このアルバムから交代になった新ヴォーカルが凄いのです。その声を聴くためだけでもこのアルバムを買う価値はあります。

 何が凄いかって、この素晴らしい低音デス声を聴かせてくれる新Vo、女性なんです。…知らなければ絶対女性とは思えない声です。むしろ知っていても信じられない声です。所々の咆哮にいたっては女性どころか人間とすら思えません。よくこんな声出ますね。

 「あゆサイコー!」「モーニング娘。命!」「やっぱり女声の方がいいよねー!」などと言っている輩に「良い女性Voバンドがあるから聴いてみなよ!」と詳細は伝えずにこのCDを貸してあげるのが紳士淑女の嗜みというものです。

 ちなみに女性Voという点を無視しても充分聴く価値のある一枚です。前作「BURNING BRIDGES」と比べるとやや落ちるかもしれませんが 世間一般と比べれば間違いなくハイレベルですから。私は#4「Ravenous」が好きです。

 

ザ・ジェスター・レース ザ・ジェスター・レース』 CD
イン・フレイムス
トイズファクトリー
発売日:1996/03/20, 枚数:1 枚

--内容(「CDジャーナル」データベースより)--
スウェーデン出身,デス・メタル・バンドの2作目。様式美メタルにも通じるギターを乗せたメロディアスなサウンドは,従来の重々しさと激しさで押すデス・メタルとは違い,{叙情}や{テクニカルな味わい}がある。新世代の到来を感じさせる1枚だ。(...)


ホラクル〜堕落の神告 ホラクル〜堕落の神告』 CD
イン・フレイムス
トイズファクトリー
発売日:1997/10/15, 枚数:1 枚

--内容(「CDジャーナル」データベースより)--
スウェーデン出身のメタル・バンド。これが約1年半ぶりの3作目にあたる新作だ。いわゆる北欧のデス・メタル系のバンドだが,この新作では今まで以上にメロディを重視した曲が多く,自分たちの音楽の幅を広げているが,貧弱なヴォーカルは致命的だ。(...)

 スウェーデンの叙情に満ちたメロディックデスメタルIN FLAMES。上二つのバンドも叙情に満ちたメロディを聴かせてくれますが、IN FLAMESは歌詞まで叙情に富んでいます。…まぁ詩の好みはメロディ以上に個人差が激しいので、人によってはイタいとか恥ずかしいとか思うのかもしれませんが。(例:久保帯人先生のオサレポエム)

 ともあれ何だか私の好みをビシバシ突いてくるバンドです。2nd「The Jester Race」の#4「Moonshield」など、タイトルを見ただけでなんかグッと来ました。聴いてみたらさらにグッと来ました。ばんざーい!スウェーデンばんざーい!

 ちなみに2枚紹介したのは絞りきれなかったためです。世間的には下の3rd「WHORACLE」の方が高評価ですしジャケットも素敵なのですが、私は上の2ndを最初に聴いたせいかこちらのほうが気に入っています。お好みで選んで下さい。というかもう両方買っちゃって下さい。

 

 メロディックデスメタルは北欧系メロディックメタルが好きな方ならばメロディー的には抵抗無く聴くことができると思います。あとは声に慣れることができるかですが…仮にデス声にどうしても慣れることができなかったとしても、これらのバンドはその「声のマイナス」を差し引いても そんじょそこらのメロディックメタルバンドでは太刀打ちできない美しいメロディを聴かせてくれるので、最初は「声は無視してメロディだけ聴く」くらいの気持ちでもいいので、とにかく聴いてみて下さい。そして、新たな世界が開けますように。

09月30日(金)

日本語の変化と私たちの未来

 言葉というものは使っていくうちに変化していくものです。それに対しこの変化を阻止しようとする人と、許容する人がいます。私は以前は後者だったのですが、最近考えが変わりました。

 さて、「許容派」の意見を今まで私が聞いた中で大まかに分類すると次のようになります。(他にあったら教えて下さい。)

  1. 言葉は変化するものだから
  2. 言葉をより分かりやすくするような「良い変化」もある
  3. 新しい物・概念は新しい言葉でなければ表せない

 

 さて一つ目ですが…何なんでしょうこの意見は。この手の議論を「言葉は変化するものだから」の一言で終わらせようとする人を何回か見かけましたが、そんな意見を言う人は間違いなく真面目に考えていません。言葉は変化するものだという前提があるから、それを阻止すべきだという意見があるのです。議論の前提を結論に持ってきてどうするのですか。

 恐らく「言葉は自然と変化するものだから それに逆らうべきでない」という意味で言っているのだと思いますが、だとしてもやはり変な意見です。自然な姿は絶対に正しいのですか?この議論に限らず、「自然なもの・姿」を至上とし「自然に反する人工的なもの・姿」を良くないと考える人が多すぎます。遺伝子組み換え食品を自然でないという理由で異常なまでに批判する人がいますが、そうした人は遺伝子組み換え大豆を食べるくらいなら天然物の毒キノコを食べるのでしょうか?…やや脱線してしまいましたが、自然は至上とは限らないのです。

 なお、この意見を少し押し進め「言葉は自然と変化するものだから、それを阻止することはできない」という意見もありますが、これも私は否定します。戦後の旧字旧かな→新字新かなへの「変化」は見事に成功しました。狙い通りの姿に変化させることが可能ならば、現在の姿に固定することもできるでしょう。

 

 二つ目の意見ですが、例えば「日本語の乱れ」の代表例とも言うべき「ら抜き言葉」を「良い変化」として肯定する人がいます。「食べられる」では「可能」だけではなく「受動」「尊敬」の意味もありますが、「食べれる」ならば明らかに「可能」であり判別が容易になる、などというものです。(他にも理由はいくつかあるようですが省略。)

 ところで「ら抜き言葉」は上一段・下一段・カ変動詞に可能の助動詞「られる」を付けた際に発生します。三音以下の短い動詞(例:「食べる」)に多かったですが、最近では「答える」→「答えれる」のように四音以上の動詞でも使われるようです。

 しかし、この法則に例外があります。「忘れる」です。「忘れる」は下一段活用ですから ら抜き言葉となるはずですが、「忘れれる」という表現は殆ど使われません。(Google検索:「忘れれる」1,890件、「答えれる」25,800件。なお「忘れられる」は311,000件、「答えられる」は769,000件) 1,890件というのは多いように思えますが、「答えれる」に比べると(正しい用法の使用頻度差を鑑みても)明らかに少ないことがわかります。多分「れれ」の発音し難さの為でしょう。

 この理由でら抜き言葉を肯定する人の多くは、「現在使われているら抜き言葉」は肯定しますが「忘れれる」を使おうとはしません。(あくまで「多くは」であり、「忘れれる」を推奨する人もいます…が、私の見る限りやはり少ないようです。) 結局のところ この手の意見は「変化」にそれらしい理由を後付しているだけなのです。そして後付されたルールに合わない部分は大抵無視されます。

 また、「分かりやすくなる変化は良い」と言うならば、言葉が変化するのを待って「これは良い変化だ」などと言うのではなく、「分かりやすい日本語」を自分たちで考えて積極的にそれを推奨していってもらいたいものです。

 

 三つ目の意見は私は反対しせん。そもそも「新しい言葉」が生まれることは「変化」ではなく「拡張」ですし。できればカタカナ語ではなく新しく熟語を作って欲しいとは思っていますが…まぁそれは単に個人的な希望です。とにかく私は 既にある語を一般と異なる用法・意味で使うことには反対しますが、新しい物・概念を新しい言葉で表すことについては反対しません。

 

 突然ですが、今私は旧字旧かなで書かれた本を読んでいますがこれが読みづらい読みづらい。欲しい本が旧字旧かな版と新字新かな版で出ていたら殆どの人は後者を買うでしょうし、もし前者しか無かったら「いっそ買わない」という人も多いでしょう。旧字旧かなですらこれでは古文となると言うまでもありません。

 日本語が変化していくのを黙って見ていたら、数十年数百年後には現代の日本語が今で言う旧字旧かなや古文になってしまいます。名作と呼ばれるような作品ならばその時代に適した言葉に直されて再出版されるかもしれませんが、それ以外の本は全て「古臭い本」と化してしまいます。

 もっと近い将来の話をするなら…ら抜き言葉が「正しい日本語」になったら、その「正しい日本語」の下に教育を受けた世代が古い(現代の)本を開き「可能」の意味での「食べられる」という言葉に出会ったとき、その意味が掴めず混乱することでしょう。古い辞書片手に必死に読もうとする人もいるでしょうが、そうした「今と違う言葉」の数々に嫌気が差し「こんな読みづらい本読んでいられるか!」と読むのを止める人も多いでしょう。新しい言葉が生まれたところで古い文章を読む上では何の問題もないですが(新しい物の誕生によって古い物が言葉ごと消えると問題になりますが、これは言葉以前の問題ですし)、現在ある言葉が変化すると古い文章を読む上で障害となります。

 何十年か後、自分の子供や孫に自分自身が若い頃読み感動した本を与えたところ「こんな古くさい言葉で書かれた本なんて読みたくない!」と投げ捨てられる光景を思い浮かべて下さい。それは言葉の変化を阻止しようと思う理由には不充分ですか?私たちの未来のために、日本語の変化を阻止しませんか?

 

 …などと書いてはみましたが、私は特に日本語の変化を阻止するための積極的な行動をとってはいません…自分の文章くらいは「正しい日本語」にしようと心掛けている程度です。しかもそう言いつつ自分自身よく「間違った日本語」を使ってしまいます。間違った表現があったらどうか突っ込んで下さい。殺害現場も見ていますので。