★映画感想
見てきたわけですよ、あの映画。どの映画かって?…やだなぁ、決まっているではないですか。8/23 に公開になったあのメタル映画、そう…
グローバル・メタルですよ!
…デトロイト・メタル・シティかと思ったら大間違いよッ!というわけで、「グローバル・メタル」の感想を色々。
その前にあらすじ。『なぜメタルは嫌われるのか?』を出発点に監督自らが世界各国を巡り、メタル・カルチャーに肉迫するドキュメンタリー
(「DVD NAVIGATOR」データベースより)である「メタル ヘッドバンガーズ・ジャーニー」を撮ったサム・ダンであったが、公開後 世界各国から「なんで欧米のバンドばかりでウチの国のバンドが紹介されてないんだこのウジ虫が(超意訳)」というメールが多々届き、メタルが思っていた以上に世界で広まっている事を知る。いわばメタルのグローバル化である。
そこでこのサム・ダンは考える…メタルのグローバル化は経済のグローバル化同様、世界を均一化、すなわち既存文化を破壊しようとしているのか?それとも?…というわけで、カッとなって世界を巡ってみた。あらすじ終わり。
以下感想。但し、私は記憶力が非常に無いのでかなりあやふやな面多し。メモはとったのですが、暗闇の中手探りでとったので解読不能な文字ばかり。
- まずは ANGRA でお馴染みのブラジル…と私は思うのですが、SEPULTURA の話が中心で炎の女神は全然出てこない。
- Destruction のジャケ裏に憧れ、乾電池を使って偽ガンベルトを作った話が興味深い。そういう馬鹿は大好きです。
- ブラジルにはギャラリア・ドゥ・ロックというメタル専門の巨大なモールがあるらしい。行きたい。
- 「メタル専門店」というものに行った事が無い人は是非とも行くべきです。ネット通販の方が品揃えは良いでしょうが、メタル専門店は そこに居るだけで途轍もなく幸せな気分になれます。
- ちなみにそこを歩くサム・ダンのTシャツは BATHORY の 1st であった。
- 日本。言うまでもなく MANIERISME などは登場しない。
- でも、日本のメタルだったら陰陽座とか凱旋 MARCH みたいな日本的なメタルを紹介して欲しかったなぁ。
- 日本は「ライブ盤の国」としては有名らしい。確かに結構出ていますね。ちなみに S.O.D.の「LIVE AT BUDOKAN」は、武道館でなんてライブしていないのにこんな名前付けて出したという詐欺的ライブアルバムです。しかしこんな名前で出す(日本盤だけのお遊びでなく、海外盤でもこの名前。)という事は、やはり「日本=ライブ=武道館」というイメージがあるのですね。
- この映画は元々は日本から始まる予定だったらしい。
- 日本は X Japan などの「日本で流行ったメタル」を中心に、そうした日本メタルの特異性について。一応最後にオマケ程度に SIGH とかが出てきましたが。
- マーティ・フリードマンが「激速のメタル曲の直後にバラードとかをやれるのは日本だけ」って言ってたけど、そうかなぁ。北欧メロスピなんかにはそういうバンドも多いような。
- パンフレットを買ったら、「劇中使用曲」でアルファベットの曲名が並ぶ中で、「食べたいなめたい危険地帯」が思いっきり目立っていて吹いた。
- 続いてインド。全然知らないなぁ。Demonic Resurrection というバンドが中心。今聴いてみたけどなかなか良いですね。
- インドではテレビで流れるような曲しか売れず、そして「テレビで流れるような曲」とはインド映画で流れるようなああいう曲の事だそうで。インド人メタラー、「あんなのは弱い人間の聴く音楽だ」とか毒舌全開。
- 未だ身分差別が残るインドにおいて、音楽は誰にでも平等…というのがインドでの結論。「頭上の空のように誰にでも等しく…」
- 中国。私からすれば幻世狂想樂隊の国。
- 唐朝(TANG DYNASTY)というバンドが昔(1988)から活動していて有名らしい。今度知り合いの中国人に訊いてみよう。
- 最近では Ritual Day というブラックメタルバンドが活動中だそうで。抗う対象はキリスト教ではなく、社会問題や政治腐敗。当局に逮捕されたりしない事を願う。
- インドネシア。私のメタル専用ブックマークを漁ったらタイとかフィリピンはあったものの、インドネシアは見当たらず。
- 過去何度か海外のメタルバンドがライブを行ったが、メタリカの際に会場に入れない人間が暴動を起こした所為で以後海外バンドのライブが禁じられてしまったそうな。
- SIKSAKUBUR というバンドは政治問題をテーマとし、TENGKORAK というバンドは資本大国への反発、シオニズムの破壊をテーマにしているとか云々。重いなぁ。
- で、TENGKORAK のメンバーが服に×印の付いた鉤十字を貼っていまして。「俺達はシオニズムに反対しているだけでユダヤ人を差別しているわけではない(ナチスとは違う)」とか言っていたのですが、日本でのシーンにおいて一瞬 鉤十字の付いたナチス軍服コスの若者を映していたのは何か日本への嫌がらせですか。
- イスラエル。Orphand Land の国。初めて「その国の名前を聴いて咄嗟にイメージしたバンド」が出てきた。
- 言うまでもなく SLAYER「Angel of Death」の話が出てくる。あれをナチス賛美の歌でしかないと理解する人は頭が腐敗していると思うので その腐った脳味噌を捨ててきた方が良いと思います。脳味噌って燃えるゴミですかね。
- 「宗教で繋がるのは神とだけだ。音楽は多くの人と繋がる事ができる。」蓋し名言である。(でもうろ覚えの上 誰が言ったか忘れた。)
- SALEM というバンドが Euronymous を殺害した事で有名なナチズム野郎 Count Grishnackh に「曲はいいが(ユダヤ人虐殺を否定的に扱った)歌詞がクソだ」と言われ、反論したところ、小包爆弾を送られたとか。本当にロクでもない奴ですね。
- イラン。まったく知らない。
- イランでは長髪というだけで逮捕されるらしい。つまりロブ・ハルフォードやダニエル・ハイメンならオッケーってことですね、わかります。
- SLAYER がここでも出てくる。SLAYER のロゴ落書きがイランにあったと SLAYER メンバーにメールを送ってきたイラン人が居るらしい。メタルは世界共通語だと思ってるよ…
- そして映画に出てきたイラン人メタラーが「イランで SLAYER の落書きを見たことがある?」という質問に「ああ、僕も書いたよ」と答えていて吹いた。実はイランは SLAYER の落書きだらけなんじゃなかろうか。
- ところで Vital Remains のTシャツを着ている人が居たんですが、日本では全然有名じゃなくて国内盤も出てませんが、海外じゃ人気なんでしょうか。
- 結論。金のねぇ奴は恐喝してでも観に行きやがれ。
凄い空いているので快適に観られます。
あと 9/27 に公開になる「HEAVY METAL IN THE COUNTRY」が気になります。デスメタル好きなら知らない人は居ない有名レーベル「Nuclear Blast」の本拠地である村のお話。でも時間的に観に行けるか微妙。
その他 最近観た映画。人によってはネタバレと思うレベルの記述につき注意。
【ダーク・ナイト】
「○○が××だって?…フン、どうせウソだったって展開だろう?」
↓
「ほらやっぱり!シリーズ物でそんな事あるわけないものな!」
↓
「ΣΣ(゚Д゚ ;)」
それはともかくジョーカー格好いいですね。
【デトロイト・メタル・シティ】
まぁなんやかんやで観たわけですが。
正直言ってあの漫画、「これでメタルへの誤解が広まるんだろうなぁ」とか思ってしまうにもかかわらず結局読んでしまうのは何故だろうかと常々思っていましたが、この映画を観てとうとうその理由に気付きました。しかしそれは悲劇的な事実であったのです。なぜ我々がDMCに惹かれてしまうか…それは、この作品世界内ではメタルが大人気であるから。デスメタルがオリコン上位に入るなんて実に素敵過ぎる世界…しかしそれはつまり裏を返せば現実では(ry
さて、映画の感想。
- 「ま、まさかの爆発オチー!?」
- 爆発は笑いです。偉い人にはそれがわからんのです。「ダークナイト」でも爆発が起こる度ジョーカーがニコニコしていたではないですか。
- あと梶井基次郎「檸檬」とか。
丸善の棚へ黄金色に輝く恐ろしい爆彈を仕掛て來た奇怪な惡漢が私で、もう十分後にはあの丸善が美術の棚を中心として大爆發をするのだつたらどんなに面白いだらう。
- DMCの曲は比較的デスメタルしてました。声がデス声とは言えない気がしますが、実際デス声で歌ってしまったら歌詞が聞き取れないでしょうから仕方の無い妥協でしょう。許容範囲許容範囲。
- が、ジャック・イル・ダークの曲は 1 ミクロたりともブラックメタルではありませんでした。鹿を指して馬となすような中国官吏でさえも これをブラックメタルと主張するのは耐えられないことでしょう。やっぱりジーン・シモンズなんて使うんじゃなかったんだよ。
- じゃぁ誰をダーク役にすればいいのかって?そんなの Dead 様を黄泉帰らせるしかないだろうが!
- 「出た… Dead さんの 1 秒間に 10 回の散弾銃自殺 ほ 本物だ」「ス スゲェ 俺達の思いが Dead さんを地獄から呼び覚ましたんだ……」
- あと前から「ファッキンガム宮殿 〜DETROIT METAL COPY〜」とかの音源を聴いた時にも思った事ですが、DMCの曲には なんか Sex Machineguns 臭がするのは何故でしょう。
- 結論。メタル映画と思って観るのは止めましょう。あくまでもコメディ映画です。