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06月30日(月)

RPG 戦闘システム考

 RPG の戦闘システムは、ドラクエ風(さらに元を辿れば Wizardry 風と言うべきでしょうが、日本での知名度という点でこの表現を使います。)のものが殆どです。ファミコン時代なんかには ドラクエとはまったく異なる挑戦的な戦闘システムの RPG もありましたが(例:頭脳戦艦ガル)、今では 特殊なシステムを取り入れている RPG は多々あれど、あくまで骨子はドラクエ風で、それにちょっぴりアクセントを加えてみました的なものばかり。

 これだけドラクエ風の戦闘システムが一般的になっているという事は、ドラクエ風戦闘システムがオーソドックスな面白さを持っているからであると言えましょう。長い間使われ続けるものには、使われるだけの良さがあるものです。

 …が、だからといって RPG の戦闘システムがドラクエ風戦闘システムで「完成」されているのかと言われると、私は否定せずにはいられません。――私が思うに今の RPG 戦闘システムには、「戦術性」が足りない。

 そう言われると「いや、戦術性のある RPG なんて沢山ある。」と 幾つかの作品名を挙げて批判される人も居るでしょうが、それは「戦術性」ではなく「戦略性」ではないでしょうか。戦闘前(特にボス戦前)に その敵の弱点に合わせて装備や編成を整えるとか、あるいはパーティ編成やキャラクターの育て方をどうするかといった事は、どれも長期的概念である「戦略性」です。そうではなく、戦闘中における駆け引きである短期的な「戦術性」というものが、ドラクエ風戦闘システムには欠けているように思えます。

 実際、適当な RPG のボス戦を思い出して下さい。こんな感じではないですか?

  • 最初にパラメータ増加/減少等の補助魔法を使う。
  • まだ敵の弱点が判らないなら、色々な属性の魔法を使ってみる。
  • 回復役以外は強力な技・魔法 / 敵の弱点属性の技・魔法を使い、回復役は体力が減っているキャラがいれば回復魔法。
  • 補助魔法が切れたら再度使用。

 プレイヤーの性格やゲームによって多少は異なるでしょうが、基本はこんな感じでしょう。これだけパターン化できるという事は、戦闘中にあまり考える必要が無いという事であり、それはすなわち戦術性の欠如と言えます。もっと戦闘中に色々考える必要のある戦闘システム――つまり、戦術性のある戦闘システムが欲しいのです。

 ただ、過去に「戦術性のある戦闘システムを持つ RPG」というものが無かったわけではありません。例えば、「戦術シミュレーション」のように「位置」の概念を取り入れたタクティカル RPG。(私の知る例を挙げるなら、「ライトファンタジー」とか。)何しろ戦術シミュレーションのシステムを取り入れているわけですから、普通の RPG に比べ戦術性があるのは当然です。

 が、こうした戦術性重視なシステムの RPG は大抵流行りませんでした。何故なら、通常戦闘が非常に面倒になってしまうからです。RPG においては ボス戦の数十/数百倍もの数の通常戦闘が行われ、そうした通常戦闘にまで戦術性が求められては、非常に面倒なゲームになってしまいます。戦術シミュレーションの場合 ある意味全戦が普通の RPG におけるボス戦みたいなものなので問題ありませんが、そうしたゲームのシステムを RPG に直接持ち込むのは失敗と言えます。

 戦闘システムだけでなく難易度設定にも関わってくる話ですが、ザコ戦は「決定ボタン連打で勝てる(が、しっかり考えて戦う方が少ないコストで勝てる)」くらいが良いと私は考えています。(まぁあくまでそれは基本の話であって、意図的なマゾゲーとか ラストダンジョンや隠しダンジョンのザコ戦とか そうした場合はまた例外。)そのためには、「決定ボタン連打で(スムーズに)進められる戦闘システム」である事が最低条件です。戦術シミュレーション的戦闘システムの殆どは、決定ボタン連打では戦闘がマトモに進みすらしません。ちなみに「女神異聞録ペルソナ」はそれで投げました。

 さて、ボス戦においては戦術性が求められつつも 通常戦闘にはそれを必要としないわけですが、かといってボス戦だけ異なる戦闘システムを用いるというわけにはいかないでしょう。つまり、同じ戦闘システムを用いつつも、通常戦闘は戦術無しでも問題無いのに ボス戦においては戦術無しでは難しい…という差を生み出す仕組みを作らなければなりません。

 じゃあ一体どうすればいいのか――というところで、次回に続く。

 

 以下余談。

 ドラクエ風戦闘システムが未完成だと思っている人は決して少なくはないと思いますが、それへの改善策として「アクション性」(時間制)を取り入れる方向に行っているものが多い気がします。その代表は言うまでもなく、4 からアクティブタイムバトルを取り入れた Final Fantasy シリーズ。

 でも、アクション性って戦術性とは逆方向なんですよね。例えば、急がないといけないから じっくり考える余裕が無くなったり。

 それから、非ターン制のゲームは「次に誰が行動するか」というのが予測しやすい。「予測がまったくできない」のは戦術の立てようがありませんが、かといって「予測しやすすぎる」のも戦術面で不利になります。

 非常にシンプルな状況例を挙げると、自分の体力が 60/100 で、敵の一撃が 30ダメージで、自分は 60回復する回復魔法が使えるとします。この時、一般的なターン制 RPG のようにどちらが先に行動するか(素早さからある程度予想はできても完全には)判らない場合、「回復魔法を使うか否か」が一つの駆け引きになります。回復魔法を使う場合、敵が先に行動してくれればいいですが、自分が先に行動してしまったら 60回復できる魔法で 40しか回復できず、やや無駄になってしまいます。が、だからといって回復魔法を使わないと、次のターンは体力 30/100 になってしまい、敵が先制した場合死んでしまう危険な状況。素早さや敵の残り体力などから、どちらが有利かを判断する必要があります。

 しかし、「次に誰が行動するか」が予測しやすい非ターン制の RPG の場合、こうした駆け引きが無くなってしまいます。完全な予測ができてしまえば、そこには戦術性は無くなります。将棋に戦術性がある事を否定する人はそうは居ないでしょうが、同じ二人零和有限確定完全情報ゲームである三目並べに戦術があると言う人はどれだけ居るでしょうか?

 …とまぁ色々書きましたが、単に私がアクション苦手ってだけの話な気もします。ところで そんな私が珍しくアクション性を取り入れて成功していると思うのは、MOTHER 2 のドラムカウンター。普段はじっくり考える余裕があるけれど、致命的なダメージを受けた時には焦らないといけない。アレは「同じゲームシステムで二面性を持たせる」という意味で今回の話とも通ずる実に良いシステムです。FF のアクティブタイムバトルと違って特許とか取ってないんだから、みんなもっとあのシステムをパクればいいと思います。