男:
この街は 平和でいいなあ
思想家にも 襲われない

女:
六本木は 二人の男が 支配してるの
赤伯爵 黒男爵とか
名乗ってるわ

ただの スケベおやじのくせして
なに 格好つけてるのかしら

黒男爵:
どうです ここ六本木の 居心地は?

人々は皆 昔の通り
楽しく暮らしていますよ

私も 赤伯爵も
始めは アニータの為に
この街を 復興しましたが
他の人たちにも 喜んでもらっています

 六本木は「赤伯爵」「黒男爵」という二人の謎の男の力により、思想家の入って来れない安全地帯となっていた。そしてその男たちの目的は、ただ「アニータ」という一人の女性を幸福に暮らさせるだけでしかないと言う。

 六本木の奥深く、数多くの罠が仕掛けられたその先で一つの壷を拾ったナカミチたちは、チリ人女性「アニータ」に出会う。

アニータ:
ネエネエ ナカミチサンハ
コノ街 気ニ入ッター?
ワタシ オ友ダチガ 欲シイノ
ナカミチサン
ワタシノ オ友ダチニ ナッテ
ネッ! イイデショ!!

>はい

ネエネエ ワタシノ オ願イ 聞イテクレル?
ワタシネー ヒランヤ 欲シイノー
ネーネー ヒランヤ 買ッテ

アニータ:
ネエネエ 買ッテキテクレター?
ヤッター! アリガトー!

ネエネエ モヒトツ オ願イガ アルノー

アノネー・・・死ンデクレル?

>いいえ

ワタシノ 言ウコト 聞イテクレナインダー
ウェーン! ヒドイヨー ヒドイヨー
アカオジサン 聞イテヨー!
オニイサンタチ ヒドインダヨー!

赤伯爵:
どうしたんだ アニータ?

アニータ:
オニイサンタチガネ ワタシガネ
死ンデネッテ言ッタノニネ 死ンデクレナイノ

赤伯爵:
そうか そうか よしよし
じゃぁ あかおじさんが
アニータの願いを 叶えてあげよう

 すると赤伯爵の姿が住宅供給公社経理担当主幹「チダ ユウジ」へと姿を変える。ナカミチたちでは太刀打ちできそうにない…しかしその時、先程拾った壷が震え始めた。

チダ:
き 貴様 逮捕の壷を 持っているのか!

>チダは 壷に封印された

アニータ:
キャーッ! アカオジサンガーッ!
ワ・・・ワタシ チリニ 帰リマス・・・

>アニータは 消え去った

 部屋を出ようとする三人の前に、黒男爵が立ちふさがる。

黒男爵:
君たちは どういうことをしたのか
解っているのですか?

一人の男の
清らかな純情を 踏みにじったのですよ

チダも私も ただ 女性の笑顔を
見たかっただけなのです
だからこそ あの女性に 8億もの公金を
与えたというのに・・・

レフトヒーロー:
そのために 大勢の人を欺いて
血税を 自分のものにしたのか!

黒男爵:
彼らの税金を 我々が 有効に
使ってあげているのですよ
有効に・・・

あなたがたも 使ってあげましょう!
有効に その命を!

レフトヒーロー:
危ない! 下がって!

 レフトヒーローはナカミチたちの盾となって黒男爵に殺されてしまった。

黒男爵:
ちっ 一人だけですか まあ いいでしょう
レフトヒーローの命は 頂きましたよ

 去っていく黒男爵。部屋を出ると、あたりの様子が一変していた。

男:
なんだよ 六本木は
いいとこだって 聞いて来たのに
ロボットが うろうろしてるだけじゃねえか

 なんと六本木にいた住民達は皆、巧妙に作られたロボットだったのだ。チダが逮捕されたことでメンテナンスがされなくなり、表皮が剥げてその正体が明らかになったのである。

 ナカミチたちは、レフトヒーローの仇を討つため黒男爵の部屋へと向かう。

黒男爵:
お友達の仇を討つ為に 来たのですか?
あなたがたの方から やってきてくれて
手間が 省けましたね

またまた 大量の税金が
手に入るぞ フォッホッホッホ・・・

 黒男爵がその真の姿を現す…黒男爵の正体は、外務省要人外国訪問支援室長「マツオ カツトシ」だったのだ。

…………………………

マツオ カツトシ:
・・・アニータの 為に・・・
幻の 街を 映し出し
ロボットを 動かして 住人とし・・・
その為に 多くの 資金を
必要としたのだ・・・

愛する者の 為に 公金を横領して
なぜ いけないのだ・・・

 レフトヒーローの魂がナカミチたちに話しかける。

レフトヒーロー:
ありがとう ナカミチくん
おかげで 僕は 成仏できそうです
ありがとう・・・

これで 死後の世界へ 行けます・・・

もう そろそろ お別れです
さようなら・・・

 そこへ突如、謎の中国人が現れる。

中国の遣い:
この者 レフトヒーローは
誠に献身的な 魂
中国の元に送るに 相応しいアル

レフトヒーローの 魂は
私が 天に
誘いましょう