日本の首都、東京。その大都市東京の一角、吉祥寺に母親と二人暮らしの少年がいた。母親思いの心やさしい少年は、平和な日々を過ごしていた。
ある夜、少年は奇妙な夢を見る。異次元世界の迷宮、喋る扉―――
ここを通らんとするは 何者ぞ!
名乗らぬ者を 通すわけにはいかん汝の名を 名乗れ
『ナカミチ』
汝は ナカミチというのか?
ナカミチよ
扉くぐりし 汝を待ち受けるは
中国の下に選ばれし民の
共産と 社会主義か
アメリカを頼る者どもが
相争う 軍国主義か汝の天秤に 二つを乗せ
こぼれ落とさぬよう 歩むがよい
中国の遣い:
これは 中国に捧げられし魂あなたが名前を呼べば 目を醒ますでしょう
『レフトヒーロー』
レフトヒーロー:
ここは どこだろう・・・
僕は 何かを 成し遂げるはずだったのに君が 助けてくれたんですね
君といれば 答えが見つかるかも・・・
一緒に 連れていってください
米兵:
これは 軍力を求める 渇いた魂貴様が 名前を呼べば
こいつは 目を醒ますであろう
『ライトヒーロー』
ライトヒーロー:
・・・なぜ 俺を起こした!
せっかく いい夢を見ていたのに・・・クソッ
とにかく ここから連れ出してもらうぜ
主人公「ナカミチ」は奇妙な夢の中で、「レフトヒーロー」「ライトヒーロー」という二人の正反対の思想を持つ男と、「ゆりこ」そして「ヒロイン」という二人の女に出会う…
母の声:
ナカミチ いつまで寝てるの?
休みだからって 寝坊はダメよ
早く 起きてらっしゃい
母の声で奇妙な夢から目を覚ますナカミチ。枕元の携帯電話をチェックすると、見知らぬアドレスからメールが届いている。
>携帯電話が
メールを 受けとったようだ
携帯電話を 使用している
すべての人へ現在 我々人間に
深刻な危機が 迫っている
世界中の 思想家たちが
実力行使に 目覚めたのだ
すぐにも 思想家が 襲ってくるだろう思想家と 戦うために
思想家の力を 利用するのだ
このプログラムがあれば できるだろう思想家招喚プログラムについて
いくつか 注意することがある
・八月中旬は 思想家は興奮していて
会話は できない
・仲間に なりうる タイプでも
プログラム使用者との 思想が
違うと 仲間にならない
・同時に 招喚しておける
思想家は 3人まで
以上の点に 気をつけてくれ勇気あるものが
受け取ってくれることを 祈る・・・
思想家と戦い 人々を救うために
>ダウンロードします
思想家招喚プログラムを 手に入れた
突如ナカミチの携帯電話に届いた『思想家招喚プログラム』。これがナカミチを数奇な運命へと誘うのであった……
母:
おはよう ナカミチ
ゆうべは どうしたの?
うなされて 誰かを呼んでたわよ確か 女の子の名前・・・
隣の ヒロインさん
だったような・・・
なに赤くなってるの? ウソよ
この母の一言と、そしてあの妙な夢が気になり隣家のヒロインを訪ねてみるナカミチ。
ヒロイン:
あら ナカミチ どうしたの?
えっ 夢? あたし 夢なんか見てないわよ今日は彼と 反戦デモに行くはずだったのに
警察のせいで どこにも行けないわ
街へ出てみると、殺人事件が起こったらしく 駅や街のあちこちで警察が道を封鎖しており、ヒロインの言う通り 吉祥寺から出ることの出来ないナカミチ。そんな中、井の頭公園で謎の老人に出会う。
老人:
おまえが ナカミチか大いなる力を
使いこなせる かもしれんな左と右 革命と保守
世界のバランスが 崩れようとしておる
いずれに傾こうと 結果は同じじゃ
おまえなら どうする?
…やがて、ナカミチは夢ではなく現実で、隣家のヒロインの彼氏である「レフトヒーロー」、オザワという男とその仲間に袋叩きにされていた「ライトヒーロー」の二人に出会い、行動を共にすることに。そしてエコービルにあった物質転送機を用いて新宿へと移動する。新宿・アルタでは、一人の男が演説を行っていた。
男:
私は 平成血盟団団長の ゴトウである!特定アジアの文明は 腐りきっている
それは 日本からの ODA搾取の上に
成り立つ文明だからである
拉致 領海侵犯 反日暴動が
アジアを 覆う今
我々は 血盟団と呼ばれる
いにしえの政治結社を 復活させたそれは 真の危機に 備える為である
日本共産化計画!
この恐怖の陰謀を 阻止せんが為
我々は いにしえの政治結社の
名前を借りた
日本とアメリカが 共存する
ユートピアを 築き上げる為に!>演説は 続いている
新宿地下街へと行ってみると、そこは様々な思想の人間…特に右翼と北朝鮮工作員がひしめいていた。
男:
ゴトウ率いる 右翼団体と
朝鮮総連が 出動させた
工作員新宿には どちらも大勢いるが
今のところ 直接衝突する
気配は ないようだ
右翼:
このまま 中韓が発展すれば
日本には 破滅の道しか 残っていない
それを心配した ゴトウ団長は
行動を起こしたのだ
男:
北朝鮮は いざとなったら
どんな手段を使うか わからんぞ
北朝鮮工作員:
我ガ 最高司令官 同志ハ
日本ノ 軍国化ヲ見カネテ
立チ上ガリマシタ 将軍様コソ 正義ニダ
男:
・・・き きっと 北朝鮮は
テポドンを撃ってくるぞ 助けてくれ!
北朝鮮工作員:
クーデターガ 成功シテ 右翼ガ
東京ジュウヲ 支配スルヨウナラ
最高司令官ハ 東京ニ
テポドンヲ 落トスト 言ッテマスワタシ 逃ゲテキタニダ
そんな中、三人は 右翼団体・朝鮮総連 双方に抵抗する組織「レジスタンス」を知る。そのレジスタンスのリーダーこそ、隣家の幼なじみと同姓同名の「ヒロイン」であった。
ヒロイン:
あなたがたに お話があります・・・
今 東京では ゴトウという男が
思想家を呼び出し その力を使って
自らの 思いのままの世界を
作ろうとしていますこのままでは 脅威になると
思った 朝鮮総連会長キムは
工作員を率いて 事態の鎮圧に
乗り出したのです私たちでは ゴトウを阻止することもできず
工作員を止めることもできません
このままでは 東京は
壊滅してしまいます
お願いします 私たちに
協力してください
その時、突如 あの夢の中の女「ゆりこ」が現れ ヒロインをさらってしまう。都庁前で右翼達によって磔にされ公開処刑されようとするヒロインを三人は助け出す。
ゆりこ:
ここは 私の負けね・・・
ヒロイン:
ナカミチさん・・・
レフトヒーローさん・・・
ライトヒーローさん・・・
本当に ありがとうございましたあなたがたは 私の命だけではなく
東京の破滅を 回避する
最後の希望も 救ってくれたのです
別の目的の為に動かなければならないレフトヒーロー・ライトヒーローと分かれたナカミチは、不思議な魔法の力を持つヒロインとともに 双方の野望を阻止するため、ゴトウおよび朝鮮総連会長へ会いに行く。
ゴトウ:
ようこそ諸君 待っていたよ
私が ゴトウだヒロインの ことでは
さぞ私を 恨んでいることだろう
しかし まず話を聞いてほしい今 キム・ジョンイルの名の下に
共産国家を 造り上げる
計画が 進んでいる共産国家・・・
そこに生きる民は 平等な幸福が
約束されるというしかしそれは ジョンイルに選ばれた
一握りの者のみに 許されること・・・
その他の者は ジョンイルの意志の下
工作員により 抹殺される今も 諸君の知らないところで
我々の仲間が 日本への
ミサイル攻撃を 防いでいるのだよ・・・しかし まだまだ我々の 力は弱い
どうか 力を貸してほしい諸君が 答えを出すのに
今暫くの 猶予を与えよう・・・
朝鮮総連会長:
ヨウコソ 皆サン私ガ 朝鮮総連会長ノ キム デス
アナタガタノ 噂 聞イテマス
大歓迎ニダ!我々ハ 皆サンヲ 思想家カラ 助ケルタメ
工作員 出シマシタ
シカシ・・・マダ 強クナイデスゴトウ・・・彼ハ 東京ニ
駐留米軍ヲ 増ヤソウト シテイマス
ソノ前ニ 彼ヲ 倒サナケレバ ナリマセン我々デハ 思想家ニ カナイマセン
アナタガタナラ カナイマス
オ願イデス ゴトウヲ 倒シテ下サイアナタガ 助ケテクレレバ
東京ニハ 平和ガ 戻リ
元ノ 活気ヲ 取リ戻スデショウ
双方の意見を聞き 改めてどちらも信頼できない存在であると確信するナカミチとヒロインは、再び彼らに会いにいく……彼らを、殺す為である。
ゴトウ:
どうやら キム・ジョンイルの手先に
うまく 丸め込まれたようだなこの私に 逆らうと言うのか
ならば 諸君に生きる道は無い!!
ゴトウ:
私が 死ねば どうなるか・・・
諸君らは 考えなかったか・・・
キム会長:
モウ ゴトウヲ 倒シタノデスカ!?
ソレハ ソれは・・・
・・・ご苦労だったなよくやってくれた
この キム・ジョンナムが
父に代わって 誉めてつかわそうこれからも 朝鮮の為に働いてくれるか?
>いいえ
この私の 言うことが
・・・きけぬと 言うのか!ならば お前たちの命
この ジョンナムが
いただこう!
キム・ジョンナム:
・・・まさか お前たちに 負けようとは・・・
だが すでに 我がハンマーは 振り下ろされた
まもなく 東京に
テポドンが 直撃する東京は 思想家もろとも
消え去るのだ・・・
北朝鮮 朝鮮民主主義人民共和国に 栄光あれ・・・
ミサイルが直撃すると知り、安全なところへと逃げようとする二人。しかし、あまりにも時間が足りない…
ヒロイン:
このままでは 二人とも死んでしまうわ
せめて あなただけでも生きのびて!時間が無いわ
・・・さようなら ナカミチ・・・